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男性にも!?「更年期」と加齢について
女性の更年期について
女性では閉経前後5年を更年期といい、その間に生じる症状を更年期症状、生活や仕事に支障をきたす場合を更年期障害と呼びます。主に女性ホルモンの急減が原因であり、ホットフラッシュ、痛み、倦怠感、気持ちの落ち込みや睡眠障害など症状やその強さはさまざまです。
男性の更年期とは?
男性の更年期は、医学的には「加齢性男性性腺機能低下(LOH)症候群」とされます。男性は女性と異なり閉経という明確なタイミングがなく、また閉経に伴う性ホルモンの急減も基本的にはありません。しかし男性ホルモンが徐々に減少し、それに伴い様々な症状が出現することを、 近年わかりやすく「男性の更年期」と表現しています。
CHECK!男性の更年期チェックリスト
☑ 以前に比べ健康や体調について調子が思わしくない
☑ 関節や筋肉の痛みを感じることが増えた
☑ 疲れやすい、行動力が減退気味、睡眠の悩みが増えた
☑イライラする、神経質、不安感など気持ちの問題が増えた
☑筋力が低下した、脂肪が増えた
☑性的能力や欲求が衰えた
(Agingmales’symptomsscoreより一部抜粋)
チェックリストに多くあてはまる、症状が急激である、生活に支障があるなどの場合は、男性ホルモンに関する専門性を持つ「泌尿器科」を受診してください。治療としては漢方薬、症状に応じた薬の処方や、場合によっては男性ホルモンの補充を行います。
更年期、と思ったら考えたいこと
実は更年期というとホルモン「だけ」の問題と思われがちですが、他の要因も大きく関わります。男女問わず、更年期の時期はプライベートも仕事も多くの変化が起きやすい時期。同時に加齢に伴う体力低下なども重なりますし、生活習慣病の影響も大きくなる時期です。「更年期かな?」と思ったら、ぜひ「自分のからだ・こころ」について改めて考える機会にしてみてください。
例えば毎年受けている健康診断の結果はどうでしょうか。
若いうちは多少異常があっても気にしなかったかもしれませんが、40代以降は心臓や脳の病気、がん等にもつながっていきます。また、こころの方はどうでしょうか。気持ちの落ち込みなどはホルモンというより、仕事の責任や将来のこと、親の介護や子どもの教育費・巣立ちなど、悩みが増えてくることが関係していたりします。
もちろん男性ホルモンに問題があれば、補充することで症状は楽になることがありますが、複合的な症状をスッキリ解決してくれるとは限りません。「更年期」について考えるときは、ぜひ今後の「自分のからだ・こころ」について考えるきっかけにしてみてください。
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平野翔大(産婦人科医・産業医)
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